ドッグフェイム 愛犬の健康と長寿を目指して、犬のしつけやお手入れ・病気・健康管理・食餌について
犬飼いのベテランさんも、初心者さんも、一緒に勉強してみませんか?
ホーム ドッグフェイム商品案内 犬の勉強室 会社案内 お問い合わせ
 ホーム > 犬についての勉強室 > 歯科関連 > ヒヅメの危険性
犬についての勉強室トップへ
犬を飼う前に
仔犬育て奮闘記
犬のしつけと行動学
犬に関する豆知識
皮膚病関連
歯科関連
感染症関連
シャンプーについて
お手入れ
健康管理
ドッグマッサージ
食べてはダメなもの
犬の食餌と栄養
歯科関連
ヒヅメの危険性
現在、ヒヅメや骨などの硬いおもちゃやおやつが歯磨き効果やストレス解消を謳って数多く市販されています。そして、「犬には硬いものを噛ませないといけない」と思ってそれらの硬いものを与えている飼い主さんも多いと思います。

しかし、犬の歯は人間の歯よりも弱く、ヒヅメや骨などの硬いものを噛むと歯が折れる危険性があること、そして、かなり多くの犬がヒヅメで歯が折れたり欠けたりして全身麻酔の治療をするはめになっているということをご存知でしょうか?

文太もその不名誉な歯科治療経験犬です。2007年の2月、臼歯が欠けて歯髄が露出していたため抜歯を余儀なくされました。原因は硬い骨を噛んで歯が欠け、弱くなっていたことだと思われます。
(詳しくは 「歯の治療」 「抜歯の話」 「歯を大切に!」 をご覧下さい。)

何を隠そう、私もそれまでは「犬の歯は強くて、歯の健康のために犬には硬いものを噛ませなければいけない」と信じて疑いませんでした。特に文太はドッグフードではなくおじやのような柔らかいものを与えているので、歯磨きがわりとストレス発散のためにと思ってヒヅメや骨などを与えていました。

でも、その結果文太の歯を折ってしまったのです。あれは事故でも病気でもなく、飼い主である私の無知が招いた出来事です。ヒヅメや骨を与えなければ100%防げたことなのです。

幸い抜歯後は特に支障もなく、元気に過ごしています。しかし、犬の歯の治療には全身麻酔が必要です。ただでさえフレンチブルドッグのような短頭種にとって全身麻酔は危険がともなうのに、誰であろう私自身が文太にその危険を負わすことになってしまったのです。そして、健康であった文太の歯を1本抜いてしまったのです。

犬の歯の表面を覆っている一番硬いエナメル質は人間の5分の1ほどしかありません。ヒヅメなどの硬いものを噛むことで、アゴの力は鍛えられても歯が鍛えられることは絶対にないのです。それどころか歯の表面のエナメル質を剥がしてしまい、逆に歯を傷つけて弱くしてしまうのです。ヒヅメも力を加減して適度に噛めば歯を傷つけることなく歯磨き効果を期待できるのかもしれませんが、夢中になってガンガン噛むのが好きな犬にそんな加減ができるでしょうか?

それに、ヒヅメを噛んで「歯が白くなった」と思うのは、もしかしたら歯を守っている表面のエナメル質が削れてしまってそれよりも弱い象牙質がむき出しになっているのかもしれません。そして、その象牙質がまた削れていけば、歯髄(いわゆる『神経』と言っているところです)が露出することになります。露髄することによりそこから細菌が簡単に入り込み、血液に乗ってばい菌が全身にまわり、命にかかわるもっと恐ろしい病気になる可能性もあるのです。

また、そのような愛犬の歯の異変に飼い主が気づいていない可能性もあります。折れたり欠けたりしていなくても、徐々に歯が磨り減ってきていつの間にか歯髄が露出していた、なんてこともあるかもしれません。文太の場合は不幸中の幸いというか、欠けた瞬間を私が見ていたのですぐに対処ができました。でも、後でわかったことですが抜歯をした反対側の歯もその時既に欠けていたのですが、それには全く気がついていませんでした。

それと、もうひとつ。犬の歯科治療は他の手術なんかと違って特別で、獣医さんと言えども歯科治療については大学で実習などをしているわけではないそうで、どこの動物病院でも歯科治療ができるというわけではないのです。

獣医さんもおっしゃっていましたが、ヒヅメで歯を破折する犬が最近かなり増えてきて後を絶たないそうです。それは多分、昔はやらなかったヒヅメや骨などのおやつやおもちゃが、今現在はその危険性についてなんら知らされることなく当たり前のように市販されていて、飼い主が愛犬のことを思えばこそ買い与えているために増えているのだと思います。玉ねぎやチョコレートのようにそれ自体に中毒性があるわけではないので、一般的にその危険性が広く知られておらず、私のように飼い主がよかれと思って積極的に与えれば与えるほどその危険性は高まるのです。

文太は今は歯で噛み切れないような硬いおもちゃやおやつは一切与えていません。その代わりに、いつも手作りのササミジャーキーや大根やきゅうりなどの歯ごたえのある野菜などをあげたり、ロープや布製のおもちゃを与えたりしています。そして、毎日歯磨きをしています。

健康な歯は健康な体の証です。愛玩動物飼養管理士の講習で、獣医さんが「長寿の秘訣はズバリ歯を大切にすること!」とおっしゃっていました。長寿の犬はみんな歯がきれいなのだそうです。逆に言うと、歯が悪くなると長生きできる可能性も低くなるということです。たかが歯、されど歯。皆さんも大切にしてあげてください。
(フレンチブルドッグ文太部長のロハスな毎日 2008年4月18日の記事より加筆修正)