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フィラリアの症状と治療
実際に心臓にフィラリアが寄生してしまうとどうなるのでしょうか?

<心臓の働き>
全身から戻ってきた静脈血(各組織で二酸化炭素を受け取った血液)が大静脈から右心房→右心室→肺動脈→肺に送られます。(上図の水色部分)

そして、肺で酸素をたっぷり供給され、肺から送られてきた動脈血(酸素がいっぱいの新鮮な血液)が左心房→左心室→大動脈から全身へ送り出されます。 (上図のピンク色部分)

静脈血を肺に送ったり、動脈血を全身に送ったりするポンプの役割をしているのが 心臓です。
<フィラリアの症状>
血流に乗って心臓までやってきたフィラリアは、肺動脈に棲みつきます。(肺動脈の末端でひっかかって詰まってしまい、そこから先へはいけないからだそうです。)
肺動脈にフィラリアがいると肺動脈が拡大し、フィラリアの分泌物や排泄物、またうねうねと動くことによって血管が傷つけられたり、それをやっつけようとして免疫反応が出て抵抗することにより肺動脈の壁が傷つけられて血管内膜炎などを起こしてしまいます。 フィラリアに侵された肺動脈は血管壁が硬く分厚くなってボコボコになっています。そして、この硬くボコボコになった肺動脈は、たとえ治療をしてフィラリアの成虫を駆虫することに成功しても元の健康な状態には戻らないそうです。

先ほど述べたように、静脈血が肺動脈を通って肺に送られるのですが、フィラリアが陣取っていると血液がなかなかスムーズに運ばれません。いわば、詰まった状態になってしまうため、より強いポンプ力が必要になります(肺高血圧症)。そうすると、ポンプの役割をしている右心室がどんどん大きくなり、心臓(右心系)に負担がかかってきます。

また、血液が正常に送られないためにリンパ液などが胸や腹部にたまってきたり(腹水)、右心不全(うっ血性心不全)となり、腎臓や肝臓なども機能不全になり死に至ります。

心臓に寄生する成虫の数が少ない初期段階ではほとんど無症状なのでフィラリアに感染していることに気づきにくいそうで、逆に言うと何らかの症状が出てくるともうかなり進行している状態なのだそうです。具体的には下記のような症状が出ます。
 ・ゼーゼーいう空咳
 ・食欲不振
 ・体重減少
 ・被毛がゴワゴワになる
 ・元気がなくなり少しの運動にも耐えられなくなる
 ・腹水・浮腫

上記は慢性の症状で、何年も時間をかけて少しずつ進行していくのですが、もっと恐ろしいことに『大静脈症候群(VCS:Venae Cavae Syndrome)』 と呼ばれる急性の症状もあります。 これは、肺動脈にいるフィラリアの成虫が血液の流れを悪くすることによって、血液が逆流してフィラリアが右心房と右心室の間にある「三尖弁(上図参照)」付近に移動して詰まってしまい、血流を乱すことによって赤血球が破壊されて血色素尿や呼吸困難などの状態に陥ってしまいます。こうなると直ちに三尖弁付近の成虫の摘出手術を行わないと、数日中に死に至ります。
<フィラリアの治療>
急性の場合は摘出手術が必要になりますが、通常の場合は薬(ヒ素系の薬剤の注射)によって成虫を駆除するか、駆虫が難しい状態の場合は成虫の寿命がくるのを待つという方法がとられます。

●薬による駆除
回虫や条虫などの腸管寄生虫の場合は、死んでしまえば便と一緒に排泄されるのでいわゆる虫下しなどの薬で簡単にやっつけることができるのですが、フィラリアの場合は血管にいるため一気に殺してしまうとその死体で血管が詰まる危険性がともないます。そのため、駆虫のための注射は2回にわけて打つことが推奨されているようです。

●フィラリアの寿命を待つ
成虫を一気に殺してしまうのが危険な場合は、成虫の寿命がきて自ら死ぬのを待つという消極的な方法もあります。フィラリアの成虫の寿命は5〜6年なので、薬で一気に殺すのではなく、徐々に死んでいくため死体が血管で詰まる可能性は低く負担は軽くて済みますが、フィラリアを生かしたままにしておくことによって、より危険度の高い大静脈症候群になる可能性は残りますし、寄生による障害も続くことになります。

いずれにしても、いったんフィラリアが心臓に入ってしまうと駆虫が難しいですし、何より犬の体に多大な負担をかけてしまう、本当にかわいそうな病気です。たとえ治療により成虫を駆除できたとしても、一度フィラリアによって痛めつけられた心臓や肺のダメージは治らないそうです。

でも、皆さんご存知のようにフィラリアは薬により100%予防できる病気です。だからこそ、何よりも予防が大事なのです。
(フレンチブルドッグ文太部長のロハスな毎日 2008年5月31日の記事より加筆修正)
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