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メス犬の生殖器と発情周期
<メス犬の生殖器>
メス犬の生殖器
ヒトもイヌも「子宮で子供を育て、産む」という原理は同じですが、犬と人間ではその形や役割が違う部分が多々あります。

●子宮角

犬にはヒトにはない長い子宮角があります(中型犬で12〜15cm)。子宮角で胎盤が作られ、そこで胎児が育ちます。

●卵巣 
子宮角の先端にあります。卵巣には多数の原始卵胞があり、その中の複数の卵胞が成長して排卵します。

●卵管 
排卵された卵子は卵管を通って子宮へ運ばれます。

●膣 
交尾の際に雄の生殖器が挿入される気管。
<ヒトの月経周期>
ヒトの子宮
卵巣には生まれながらにして数百万個とも言われる原始卵胞(未成熟な卵胞)があります。それが周期的にひとつずつ成長して成熟卵胞になり、約2週間で卵子が排出されます(排卵)。排卵後の卵胞から黄体(おうたい)が作られ、妊娠すると分娩まで存在しますが、妊娠しなかった場合は白体(はくたい)となって消失します。

卵巣から排出された卵子は卵管采で受け取られ、卵管に入ります。そのとき、卵管内に精子がいれば卵子と精子が結びつき受精します。受精卵は細胞分裂しながら子宮体に向かって移動し、子宮内膜にもぐりこんで安定し着床します。全ての受精卵が着床するわけではなく、着床しなかった場合は月経時に体外に排出されます。胎児は子宮体で育ちます。

卵胞からは卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され卵胞を成熟させて排卵に備えます。排卵後は黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、受精卵が着床しやすいように子宮内膜が増殖して妊娠の準備をします。受精や着床しなかった場合(妊娠しなかった場合)はこの子宮内膜(と増殖した血管)は不要となり、はがれ落ちて体外に排出されます。このときの出血が月経です。ヒトの排卵周期は平均約28日です。
<イヌの発情周期>
ヒトの子宮
イヌの性成熟(卵巣から排卵が起こって子供を作れる体になること)は、犬種によって異なりますが、約10ヶ月〜16ヶ月です。小型犬ほど早く、大型犬ほど遅い傾向があります。

犬には人間のような月経周期ではなく、雄の交尾を受け入れる「発情期」があり、6ヶ月から10ヶ月ごとの周期で発情が起こります。犬の発情周期は発情前期、発情期、発情休止期、無発情期の4つにわけられます。

*発情前期
排卵に備えて卵胞からエストロゲン(発情ホルモン)が分泌されるようになり、その作用によって子宮内膜の血管が増え、膣粘膜や外陰部が充血して大きくなります。子宮角も充血して子宮腔内から出血します(発情出血)。

※人間の月経血は排卵後の不要な子宮内膜ですが、犬の発情出血は排卵に備えて充血した子宮内膜からのものであり、全く別物です。つまり、人間の場合は月経血があれば「妊娠しなかった」という意味ですが、犬の場合は発情出血があれば「妊娠に向けて準備中」という意味です。人間は月経ごとに子宮内膜が新しいものと交換されますが、犬ではそのようなことはありません。

発情出血には性フェロモンが含まれており、オス犬を引き付けますがまだオスを受け入れる時期ではなく、交尾を拒否します。発情前期は5日〜15日間(平均8日間)です。


*発情期
交尾を許すようになるのが「発情期」です。発情期の前半には外陰唇が最も大きくなり、発情出血は徐々に減っていきます。左右の卵巣で2〜10個の卵胞が成長し、発情期の開始から2〜3日後に卵巣から卵管内に排卵します。

ヒトの卵子は排卵直後から受精可能ですが、犬の卵子は排卵されたばかりのころにはまだ受精能力はなく、排卵後約2.5日で受精できるようになります。受胎可能な時期は排卵前後の約1週間で、発情期は5〜20日間(平均10日間)です。


*発情後期(発情休止期)

再びオスを拒絶するようになるのが「発情後期(発情休止期)」で、受精している場合は妊娠期間となります。犬の妊娠期間は約60日間です。受精の有無に関わらず、排卵された卵胞のひとつひとつから黄体が作られ、妊娠に必要な黄体ホルモン(プロゲステロン)が大量に分泌されます。黄体ホルモンは子宮内膜を増殖して受精卵を子宮に着床しやすくする働きがあります。

ヒトの場合、妊娠していないときには黄体は1週間ほどで白体となって消滅しますが、犬の場合は妊娠していなくても黄体機能が約60日間続きます。この間、黄体ホルモンがずっと分泌されて体が子供を産む準備をするため、子宮内膜が分厚くなり乳腺組織が発達してきます。中には乳汁が出てきたり、妊娠時と同じく神経質になったり、出産に向けて巣作りをする行動が見られることもあります。これが「偽妊娠(擬似妊娠)」です。

犬の偽妊娠はその程度には個体差がありますが、交配・妊娠の有無に関わらず発情に伴うホルモンの影響で体が「子供を産む体勢を整える」ために起こる自然な生理現象です。人間のように妊娠を強く望んだり、また逆に過度に恐れたりするというような心的原因で起こる「想像妊娠」とは全く別物です。つまり、程度の差はあれ、不妊手術していないメス犬なら誰でも起こりうることなのです。

通常は黄体がなくなって黄体ホルモンの分泌がなくなると偽妊娠の徴候は自然となくなりますが、ヒートのたびに偽妊娠がひどいようなら精神的ストレスもかかるので、不妊手術をしてあげた方がいいんじゃないかなぁと個人的には思います。


*無発情期
発情休止期終了(黄体ホルモンの分泌がなくなる)から、次の発情前期が来るまでの役4ヶ月〜8ヶ月間。卵巣には卵胞も黄体もありません。
(フレンチブルドッグ文太部長のロハスな毎日 2009年6月6日の記事より加筆修正)
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