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メス犬の生殖器系の病気と不妊手術
☆子宮蓄膿症
●特徴
子宮内膜が細菌に感染することにより炎症を起こし子宮内腔に膿がたまる病気。不妊手術をしていない中高齢の犬で、未経産または出産経験があってもその後長く出産していない犬がなりやすいです。

●原因
排卵後には体が「妊娠・出産の準備」をするために黄体ホルモンが分泌され、子宮内膜の増殖を促します。子宮内膜が分厚くなることにより、子宮の壁に嚢胞性増殖(のうほうせいぞうしょく)が起こり、子宮内膜が水膨れしたようになります。

犬の膣粘膜は通常弱酸性で細菌の侵入を防いでいますが、嚢胞性増殖が起こるとアルカリ性に傾き、細菌感染しやすくなります。その状態で外陰部から大腸菌やブドウ球菌、サルモネラ菌が入ると、子宮内でそれらの細菌が増殖して炎症を起こし、膿汁が貯まってしまいます。

人間は妊娠しなかった場合黄体はすぐに消滅しますが、犬の場合は妊娠していなくても黄体ホルモンの分泌は約2ヶ月間続きます。そのため、子宮蓄膿症は黄体ホルモンの分泌が活発になる発情後の1〜3ヶ月後に多く起こります。また、人間の場合は増殖した子宮内膜ははがれて排出され(このときの出血が月経)、月経のたびに新しい内膜ができますが、犬にはこのような子宮粘膜の更新がないことも子宮蓄膿症の原因のひとつと考えられています。

●症状
<1期>
子宮内膜が腫れて子宮壁に子宮腺の過形成ができるが、その他の体の異変はまだみられない。

<2期>
子宮腺から粘液が分泌されて子宮内に貯まってくる。外陰部から少量のおりものが出る。食欲不振になることもある。

<3期>
子宮内膜に嚢胞性増殖がおこり、膿がたまってきて子宮内膜炎が起こる。子宮がだんだん膨らんできて外陰部からクリーム色の膿状のおりものが出る。元気がなくなり、食欲不振になる。

<4期>
子宮内膜炎が進行して膿汁が腹腔内に漏れ、腎機能を低下させたり致死性腹膜炎を起こしたりする。腎機能が低下することにより、水分吸収が阻害されて体内の水分が尿としてどんどん排出され脱水症状になり、その分水分を補おうとするために多飲多尿になる。そのほかには嘔吐や食欲減退、脱毛、脱水などがみられ、治療が遅れると多機能不全となり死に至る。

●治療
軽度の場合は抗生剤とホルモン治療が施されますが、再発することが多いので、一番よいのは子宮と卵巣を摘出することです。


☆卵巣腫瘍
●特徴
卵巣の様々な細胞から腫瘍が発生しますが、その中でも一番多くて約半数を占めるのが顆粒膜細胞腫(かりゅうまくさいぼうしゅ)で、転移することもあります。

●症状
ほとんど無症状なため、不妊手術などの開腹手術時に初めて発見されることがほとんどですが、発情周期が不規則になったり、発情がなくなったり、脱毛したりすることもあります。

●治療
卵巣及び子宮の摘出手術 乳腺腫瘍


☆乳腺腫瘍
●特徴
乳腺は乳汁を分泌する組織で、卵巣から分泌される女性ホルモンの作用によって増殖・発達します。乳腺はオス犬にもあるので、極まれにオス犬にも乳腺腫瘍が発生することもあるそうです。

メス犬の全腫瘍のうち半分強が乳腺腫瘍だと言われています。乳腺腫瘍には悪性と良性があり、その割合は半々ぐらいで、悪性腫瘍のうちリンパ節や肺などの臓器に転移するものは約半数(乳腺腫瘍全体の1/4)と言われています。

●原因
はっきりした原因はまだ解明されていませんが、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが影響していると考えられています。初回発情前に不妊手術を受けた場合の発生率は0.5パーセント、初回から2回目の発情までに不妊手術をすると8%、2回目発情以降になると26%というアメリカの研究発表もあります。つまり、乳腺腫瘍発症確率はヒートを経験するごとに上がっていくので、不妊手術を受けさせるのなら初回のヒートがある前にした方がよい、といわれているのはそのためです。

●症状
乳腺組織(乳頭周辺)にしこりがみられるのが特徴です。しこりの大きさは様々で、硬さも硬いものから柔らかいものまでいろいろです。腫瘍が悪性の場合、リンパ節や肺、卵巣などに転移する危険性が高いので、早期発見、早期治療が何よりも大切です。

以上、メス犬の生殖器関係の主な病気ですが(そのほかにもまだいろいろありますが、割愛させていただきました)、それを踏まえて不妊手術をするかしないかを考えると・・・

腫瘍に関しては、不妊手術をしようがしまいがオス犬と同じく「そもそもガンを作らない体質を目指す」ことが大事だという思いには変わりないのですが、問題は子宮蓄膿症です。ヒート中のメス犬が近くにいない限り発情することのないオス犬と違って、メス犬は周期的に発情が起こり、有無を言わせず「子供を産み、育てる準備」をします。

ヒートのたびに体が妊娠の準備を繰り返し、そのたびに子宮が細菌に対して抵抗力が弱くなり、炎症を起こしやすい状態になってしまうし、自分自身も生理中にイライラしたり、頭痛や腹痛、倦怠感などいろんな不調があることが多いので(犬にもそんなことがあるのかどうかわかりませんが)、そういうストレスからも開放させてあげられます。ヒートを気にせずに旅行や遊びにも行けるし、オス犬よりもメス犬の方が不妊手術のメリットは大きいのではないかなぁという気がしますし、もしメス犬を飼っていたら不妊手術をさせていたと個人的には思います。
(フレンチブルドッグ文太部長のロハスな毎日 2009年6月13日の記事より加筆修正)
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